VSTiを調べてみた

ちょっと前の記事で「MIDIからサンプリングに移行した」みたいな事を書きましたが、正確にはMIDIメッセージでコントロールしているのは今も昔も同じで、昔は容量に制限のあるハードウェア音源、今はCD/DVDの大容量を生かしたソフトウェア音源ってこと・・・なのかしら?いまいち時流に乗れてません。で、VSTおよびVSTiという規格のソフトウェア音源が標準的なようなので、いろいろ調べてみた。基準は「クラシックの演奏に耐えるか」。オール生楽器で、音色やアーティキュレーション、ダイナミクスの幅が相当必要という、ほとんど無理な注文である。まあ、まじめにやろうとするなら、前回書いたように、多様なパラメータと、アナリーゼを元にしたコントロールが必要なわけだが、一音鳴らした時のここちよさと、作り込んだデータ(少なくともサンプルデモは相当に作り込んであるだろう)再生時の完成度は、ある程度の水準で要求してもよかろう。で、調べてみたのは、オーケストラとピアノ。もっとも使いたいオーケストラと、もっとも再現度を高めやすいであろうピアノ、である。弦合奏や、弦独奏なども調べてみたが、あんまり芳しくなかったので割愛。オーケストラは「Miroslav Vitous - Synphonic Orchestra Samples」がよかった。まあ、まだまだという感はあるけど、他に比べればずいぶんと。なんとなくFF12の音っぽい(笑)。上記リンクの下の方にサンプルあり。Orchestra DemoとStrings Pizzicato Demoがよい。Orchestra DemoはほんとにFF12みたい。ピアノは「Ivory Grand Pianos」がよい。とにかく音色と録音がよかった。サンプルにはクラシックも多く、なかなかの出来だ。好みに合わせて多少データの調整やイコライジングをすれば、かなり使えそうなかんじ。キーノイズや共鳴もちゃんと再現している。メモリ2GB推奨はきついが。もう一つふれておきたいのが「Synful Orchestra」である。こちらは、発音までに1秒のタイムラグをもうけることで、次の音への移行の際の表現を可能にし、ボリュームコントロールやモデュレーションで、相当な表現が可能なようである。単純にキーを押さえただけでは、のっぺらぼうな音らしいが、上記リンクの独奏のサンプルは本当にすばらしい出来。思ったより、いいものが見つかって嬉しい。ネックはやはりコントロールの方法、と、値段・・・。ピアノだけに5万か・・・。うーん・・・。今回「リアル・オーケストラ工房」の情報を参考にさせていただきました。こちらのサイトいろいろ参考になります。Synfulを使った弦楽四重奏曲「カッコウ・ズ・ライフ」は必聴。

追記(2007.6.11)オーケストラ音源は「VIENNA SYMPONIC LIBRARY」が良さそう。収録データを絞ったSpecial Editionなら6万くらいで買えるみたい。