NHKの料金未払いが増えているらしい。
去年(だったか?)の不祥事の影響が大きいとされているが、そもそもおかしかったシステムが、不祥事をきっかけにして漸く再評価された、ということではないだろうか。
NHKは公共放送と呼ばれているが、税金で成り立っているわけではなく、視聴料を直接徴収している。テレビ所有率が低かった時代ならともかく、現在においてこの方式はあまりに非効率かつ非合理ではなかろうか。そもそも誰でも見られるように放送しておいて、料金を徴収するというのは詐欺に近い。そこで新しい形の公共放送を提案したい。
まず有料放送ならば、放送をエンコードして、登録者のみデコーダーを通して見られるようにすべきだ。民間の有料放送局は皆そうしている。ただし、公共放送としての責務を果たすために、最低限必要と思われる番組(たとえばニュース番組など)はスクランブル放送(エンコードしない放送)し、番組制作費は国や市町村から予算を得る。
この方法であれば、NHKの通常の放送が気に入った人はデコーダーを購入し、毎月使用料を払って視聴する。そのほかの人は税金を財源に作られたニュース番組などのみ視聴することができる。
ただこの方法だと、NHKが他の民営放送局との違いがほとんどなくなってしまう。それでいいという人もいるだろうが、多くの民営放送局が、高い視聴率を得られる、うけ狙いの番組ばかり製作している今、唯一文化的な放送を行っているNHKの番組までもが、採算性を理由に消えてしまうのは、個人的にも悲しいことだし、国民の文化レベルの低下を招いてしまう恐れがある。
もっとも、小規模な有料放送の多くは非常にマニアックな番組を放送している。NHKもそれに倣って、いままでのファン層を逃さないようにしつつ、より合理的な形に生まれ変わってほしいものだ。