Chapter.1: 音名
音の高さを表すには「音名」を使います。みなさんご存じ「ドレミファソラシド(Do Re Mi Fa Sol Ra Si Do)」ですね。
さて、この「ドレミファソラシド」はイタリア語(あるいはラテン語、楽語)の音名でして、他によく使われるものとしては、日本語・英語・ドイツ語の音名があります。
以下にそれぞれの言葉での音名を示しておきます。なお、イタリア語の♯や♭の読みかたは(日本では)滅多に使わないと思います。だいたい「ドのシャープ」とかいいますもんね。
イタリア語はもっともなじみ深いと思いますが、本や楽譜ではあまり使われません。ただ、階名(後述)にはこれを使いますので、注意してください。
日本語は調名(ハ長調とか)や、音楽理論書などでよく使われます。
英語はクラシックではあまり見ませんが、ポピュラー音楽(ジャズやロックなど)ではよく使われます。コードネーム(後述)も英語ですね。
ドイツ語はクラシックで最もよく使われる音名です。「シ」がH(ハー)なのと、英語と発音が異なる(特にEがややこしい)のに注意してください。
次はシャープ系の音名です。幹音(かんおん。ピアノの白鍵の音。)より半音上の音ですね。
ミの#やシの#は、ファやドと同じ音が出ますが、音楽理論上は別の物として扱います。詳しくは音階や調の項で書きます。
イタリア語は幹音名の後に「♯(diesis、ディエシス)」がつきます(例:Do diesis ド・ディエシス)。
日本語は、幹音名の前に「嬰(えい)」がつきます。
英語は、幹音名の後に「♯(sharp、シャープ)」が付くだけ(例:C sharp シー・シャープ)。簡単ですね。
ドイツ語はちょっとややこいですが、幹音名の後に「is(ィス)」をつけて読みます。慣れるまではちょっと大変ですが、1音節で呼べるのは便利ですね。
さて、次はフラット系ですね。幹音より半音低い音です。
イタリア語は幹音名の後に「♭(bemolle、ベモーレ)」がつきます(例:Do bemolle ド・ベモーレ)。
日本語は、幹音名の前に「変(へん)」を付けます。
英語は、幹音名の後に「♭(flat、フラット)」が付くだけ(例:C flat シー・フラット)。やっぱり簡単ですね。
ドイツ語はまたややこいですが、幹音名の後に「es(ェス)」をつけて読みます。ただし、EesとAesは発音しにくいのでEs・Asになります。またシの♭はHesではなくB(ベー)です。注意しましょう。
さてさて、つぎはダブルシャープ系です。幹音より2半音(全音)高い音ですね。ドのダブルシャープはレと同じ高さですが、やっぱり区別します。
イタリア語は幹音名の後に「x(doppio diesis、ドッピオ・ディエシス)」がつきます(例:Do doppio diesis ド・ドッピオ・ディエシス)。
日本語は、幹音名の前に「重嬰(じゅうえい)」を付けます。
英語は、幹音名の後に「x(double sharp、ダブルシャープ)」が付きます。まんまですね。
ドイツ語は幹音名の後に「isis(ィシス)」をつけて読みます。シャープのシャープってことですね。けっこうわかりやすい。
さ、そろそろ頭がこんがらがってるかもですが、最後のダブルフラット系いきましょうか。幹音より2半音(全音)低い音ですね。
イタリア語は幹音名の後に「♭♭(doppio bemolle、ドッピオ・ベモーレ)」がつきます(例:Do doppio bemolle ド・ドッピオ・ベモーレ)。
日本語は、幹音名の前に「重変(じゅうへん)」を付けます。
英語は、幹音名の後に「♭♭(double flat、ダブルフラット)」が付きます。簡単。
ドイツ語は幹音名の後に「eses(ェセス)」をつけて読みます。これもEesesではなくEses、AesesではなくAsesを使います。「シ」のダブルフラットはHeses(ヘセス)ともBes(ベス)ともいいます。
さて、音名、覚えられましたでしょうか?この後の項では原則として「ドレミ」を使いますが、他の呼び方も時々使いますので、徐々にでよいので覚えてくださいね。
ダブルシャープ/ダブルフラットは使う機会が少なめなので、出てきたときに覚えてもよいです。
次項は音の隔たり「音程」を学びましょう。