ペンギンラボ for music and informatics

Chapter.0: 楽典ってなんだ

楽典って聞いたことありますか?
本屋さんの音楽のコーナーに1、2冊はおいてある、ややこしそ?な本です

楽典というのは簡単に言えば「音楽の入門書」です。西洋の音楽(いわゆるクラシックから現代のポピュラー音楽まで)の音楽理論の基礎的な部分が楽典には書かれています。作曲・編曲家はもちろん、演奏家にとっても楽典は必要なものです。

で、楽典は書籍で結構売ってるんですが、専門書だからちょっと高いし、書き方が難解だったりして、なかなか買う気になりません。私は図書館で借りて読んだんですが、せっかく理解したんだから、人にも教えたいというか、コンテンツ不足解消の苦肉の策というかで、ここに書いてます。

わかりやすく書くつもりですが、わかりにくいところ(あるいはさっぱりわからんとこ)はメールをくだされば改善するよう努力します。

楽典は音楽理論の基礎、と書きましたが、じゃあ応用はなにかというと、いろいろあるんですが・・・

  • 和声法
    様々な和音の使い方・つなげ方、それぞれの声部(パート)の配置の仕方を学ぶ。
  • 対位法
    旋律に対する旋律(対旋律)の付け方を学ぶ。
  • 管弦楽法
    それぞれの楽器の特性を知り、楽器に応じた楽句の配置を学ぶ。
  • 楽式論
    楽曲の構成を学ぶ。
などなど。あと包括的な「作曲法」なんてのも本で売ってますね。興味があれば、楽典を理解したあとで、こうした本にもあたってみましょう

ちなみに。昔の私を含めて多くの人が誤解をしていると思われるのは、音楽理論勉強したからといって作曲が出来るようになるわけではないです。しかし、理論をいっさい知らないで作曲するのは非常に困難だと思います。つまり「理論やったから出来る」じゃなくて「理論やらなきゃ出来ない」わけです。
特に、楽典に関しては、本当に基本的な内容なので、損することはまずないかと思います。

なお、このコーナーの対象は「楽譜を読める人」です。小学校の音楽の授業程度の楽譜が読めれば問題ないかと思います。
また、内容の多くは、いわゆるクラシック音楽の伝統に則るものですが、ポピュラー音楽の内容も含んでいますし、ポピュラー音楽への応用も利くかと思います。
用語の多くは読みに加えて、英語でも書いています。ジャズや、ジャズ由来の音楽では、主に英語の用語が使われるためです。

最後に、参考文献をあげておきます。
詳しく正しい情報はこちらで(笑)。

  • 楽典―理論と実習 / 石桁真礼生ほか(著)
    楽典といえばコレというくらいスタンダードな本。
    記述は正確でよくできているが、カタくて説明が少ないので初めて読むにはおすすめしない。
    ある程度、楽典を理解してから、復習のために読むのが吉。
  • 生きている楽典―音楽好きの中学生から大学生まで / 飯田 正紀 (著)
    私が図書館で借りた楽典。
    そんなにオススメというわけではないが、私が最後まで読めたぐらいだから、結構読みやすくわかりやすいのかもしれない。
    演習問題を面倒くさがらずにやれば、確実に理解できるはず。
  • ポケット楽典 / 大角 欣矢 (著)
    その名の通りポケットサイズだが、内容は結構充実。
    最初に読むにはおすすめしないが、ある程度理解したのちに、いつでも確認できるよう手元においておくと便利。
    価格も安いので、買っておいて損はない。