ペンギンラボ for music and informatics

Chapter.2: 音程1 – 基本

・・・さて、ややこいとこです。気合い入れていきましょう。

一般的な会話では音程(おんてい)は音高(おんこう: 字のまま「音の高さ」)と同じような意味で使われてますよね。音程が高いとか低いとか。
が、正確には音程は「2つの音高の差」を表します。たとえば「ドとミの間の音程は…」とかいう風に使います。

で、その差の数え方なんですが、一番わかりやすいのが半音を単位にして考えるもので、たとえばドとすぐ横のレの間は半音2つ、ドとソなら半音7つですね。

interval_keyboard

これは簡単なんですが、音楽理論界では普通「度数(どすう)」というもので音程を表現します。
度数は楽譜上の距離をもとに音程を表すもので、たとえばドとドの間の音程は「増1度(ぞういちど)」と呼ばれますが、ドとレ(ドと同じ音)の間の音程は「短2度(たんにど)」と区別して呼びます。

図を見ながらのが説明しやすいので、次の図を見てください。

interval_p1to8

数字のまえに「完全」やら「長」やらついてますが、すぐ後で説明しますので、今は無視してください。
見てもらえば解るように、同じ高さなら「1度」、楽譜上で1つぶん(ピアノの白鍵一つ分)の差なら「2度」、以下3度・4度・・・となっていますね。
♯や♭に関係なく、楽譜上どれだけ離れているかだけで「?度」の部分が決まります。次の図を見てください。これらの音程はすべて3度です。

interval_various3rd

なお、ジャズなどでは音程も英語で呼びます。英語では度数は以下のように序数詞で呼びます。
1度: 1st (first)
2度: 2nd (second)
3度: 3rd (third)
4度: 4th (fourth)
5度: 5th (fifth)
6度: 6th (sixth)
7度: 7th (seventh)
8度: 8th (eighth)
もちろん9度以下も同様です。

ところで、同じ高さなら「1度」じゃなく「0度」にすればよいのにと思いませんか?オクターヴ越えるとややこくて・・・。
度数考えた時には0の概念がなかったのかも知れません。

さて、これだけではド・レ間もド・レ間もおなじ「2度」になってしまいますね。そこで、登場するのが「完全」やら「長」やらです。
とりあえず次の図を見てください。

interval_majorminor

ド・ミ間は半音4つで「長3度(ちょうさんど)」と呼ばれます。これが基本です。でド・ミ間は半音3つで「短3度(たんさんど)」です。
さらに・・・
ド・ミ間は半音4つで「増3度(ぞうさんど)」、ド・ミ♭♭間は半音3つで「減3度(げんさんど)」と呼びます。
英語では長はmajor、短はminor、増はaugmented、減はdiminishedと呼び、「major 3rd」「diminished 3rd」のように呼びます。

譜面上の距離は変わらないので全て「?3度」と付きますが・・・
長3度にくらべて2つの音の間が半音分狭ければ短3度、さらに半音分狭ければ減3度、逆に半音分広ければ増3度となります。

interval_majorminor_chart

長とつくのは「ドレミファソラシド(幹音)」の、ドとの音程を基準にしてください。 つまり・・・

ド・レ間(半音2つ)が長2度
ド・ミ間(半音4つ)が長3度
ド・ラ間(半音9つ)が長6度
ド・シ間(半音11コ)が長7度

です。重要なのは、長・短とつくのは2度・3度・6度・7度の場合で、1度・4度・5度・8度はまた扱いが違います。

さて、ややこいのでいくつか例を挙げておきます。

例:ミ・ファ間の音程はなにか?

まず楽譜で見て1つ分離れているので「2度」とわかります。
で、ミ・ファ間は半音1つなので、長2度(半音2つ)より半音分狭い。
つまり答えは「短2度」ですね。

例:レ・ファ間の音程はなにか?

ややこしそうですが、さっきと同じ方法でわかります。
楽譜上で見て2つ分離れているので「3度」ですね。
で、レ・ファ間は5半音。長3度(半音4つ)より半音分広い。 つまり答えは「増3度」。

で、さっきも言いましたが、1度・4度・5度・8度の場合はまた少し変わります。次の図を見てください。

interval_perfect

ド・ソ間は半音7つで「完全5度」と呼びます。これが基本です。
で、今度はド・ソ間は半音8つで「増5度」、ド・ソ間は半音6つで「減5度」となっています。
英語では完全はperfectとなり、「perfect 5th」などと呼びます。
まとめるとこんな感じ

interval_perfect_chart

「完全?」は半音広ければ「増?」に、半音狭ければ「減?」になるんですね。

完全とつくのは、やっぱり「ドレミファソラシド」のドとの音程を考えればわかりやすいです。 つまり・・・

ド・ド間(音高同じ)が完全1度
ド・ファ間(半音5つ)が完全4度
ド・ソ間(半音7つ)が完全5度
ド・(オクターヴ上の)ド間(半音12コ)が完全8度

ですね。

またいくつか例を挙げておきます。

例:ファ・シ間の音程はなにか?

まず楽譜で見て4つ分離れているので「4度」とわかります。
で、ファ・シ間は半音6つなので、完全4度(半音5つ)より半音分広い。
つまり答えは「増4度」ですね。

例:ラ・ミ間の音程はなにか?

楽譜上で見て5つ分離れているので「5度」。
で、ラ・ミ間は半音6つ。完全5度(半音7つ)より半音分狭い。
つまり答えは「減5度」。

うーん、やっぱり音程はややこしいですね。説明しづらい。
残り(完全・長短のゆえんと、9度以上の音程)は次の項で解説します。
もっとも、このサイトでは「増2度(半音3つ)」のように半音で数えた音程も書くので、完全に理解していなくても先に進んで問題ないです。見ているうちにわかるようになりますって。