映画版の「アマデウス」をDVDで観ました。
ディレクターズ・カット版。
この映画、「モーツァルトが嫌いになる」とか「サリエリがひどい奴だ」とかきいてたんですが、全然そんなことなかったですよ。
たしかに、モーツァルトは下品で無茶苦茶な奴だけど、彼の純粋さと孤独と天才がそうさせるわけで、生まれる時代や場所が違えば、愛されるべき人間になったはずだ。
サリエリはモーツァルトの才能に嫉妬して、表面上は彼と親しくしながら、裏では圧力をかけ、殺害まで企てる。しかし、モーツァルトの音楽を理解していたのは、彼ただ一人。たとえ、自作が皇帝に認められても、モーツァルトの作品には及ばないことを自分だけが理解している。モーツァルトにとっては、最後まで自分を見放さないでいてくれたサリエリが、最大の、唯一の理解者であると思っており、サリエリも最後にはそのことを自覚している。
最後の、モーツァルト宅でのシーンは本当に感動的だった。まわりの状況が違っていれば、二人は本当にいい関係を築いて、幸せになれたんじゃないか、と思う。フィクションの史劇でそんなこと言っても不毛だけど。
ところでこの映画、もとは戯曲で、そこではサリエリは本当にひどいやつらしい。映画のサリエリが好きだから観ない方がよさそうだなー。松本幸四郎扮するサリエリを観たい気もするけど。
あと、この映画1984年製(デジタルリマスター、ディレクターズカット版は2002年公開)なんですね。まあSFXがない映画なら20年くらい変わらないのかもしれないけど、去年撮ったっていっても通用するよなー。