小沢氏党首辞職会見とその反応について。

久しぶりに政治関連の記事。

小沢氏が民主党首を辞した。

そのこと自体についてどうこう言うのは、自分の政治に対する関心の薄さを露呈することにしかならないと思うので、やめておく。今回、気になったのは小沢氏のマスコミ批判とそれに対するマスコミの反応である。

今日(11/4)の記者会見で、小沢氏はかなり露骨にマスコミの報道姿勢に対して批判した。時間的にもかなりの部分をそれに当てていたし、質疑応答でも発言の端々に滲み出ていた。

しかし、それに対するマスコミの反応はどうだっただろう。

あれだけ、痛烈に批判されたなら、質疑応答で何らかの反応があるかと思ったが、関連した質問は何も出なかった。まあ、限られた質疑の時間で、他に訊くべき質問があったのは理解できる。

問題は、ネットでの報道である。

Googleニュースから7つくらいのニュースソースをチェックしたが、このマスコミ批判について触れられた記事を、遂に見つけられなかった(11/4 18時時点、全てのニュースソースを精査したわけではないが、普段は複数のニュースソースをチェックすることさえ少ない)。まだ、速報的な報道が多いとはいえ、あれだけの時間を割いて語られたことが、全く触れられていないというのはどうだ。

そもそも、私がこのニュースを知ったのは会見が終わってからである。TVでは相変わらず断片的な報道しかしていないので、会見を見ていた父から話を聞き、確認のためネットで情報を探したのだ。しかし、ネットでの報道ではマスコミ批判について全く触れられていないことに驚き、民主党のウェブサイトからノーカットの記者会見映像(※2009年8月現在リンク切れしている)を見た次第である。もし、父から話を聞いていなかったら、ここまで調べることもなかっただろうから、マスコミ批判発言の存在自体気づかなかっただろう。

日頃、情報の信頼性に常に疑問を抱くよう心がけていたが、ここまで恣意的な報道が行われているのならば、正確な情報を得るのは本当に難しい。もはや、日常的には不可能と言ってもいい。

真にジャーナリズムの発現たる報道がなされるためには、どうすればいいのだろうか。今回、民主党のウェブサイトでノーカットの会見映像を見られたように、ネットが一つの突破口になりうるとは思うのだが。

追記:翌日(11/5)の朝刊での報道状況

まずは、小沢氏に批判されなかった2紙。

  • 朝日新聞:マスコミ批判発言について触れず。
  • 日本経済新聞:5面に会見での発言を全文掲載。それ以外では触れず。

以下、それ以外。

  • 読売新聞:1面で強く批判・反論。
  • 毎日新聞:29面で否定的に報道。
  • 産経新聞:5面でやや否定的報道。

結構、違いが出てますね。日経の全文掲載はすばらしい姿勢だと思う。なお、掲載面は地方や版により異なる可能性がある。

追記

「辞した」って書いたけど、戻ってきましたね。なんだかなあ。

辞職会見後の民主党の人たちの反応が的外れに思えたのは私だけか?