ガムランノススメ。

ガムラン(gamelan) - インドネシア、マレーシア周辺の伝統音楽で、青銅と竹で作られた楽器を多く使用するため「青銅と竹の交響曲」などとも呼ばれている。特にバリ島のものが有名。

私はガムランが好きです。たぶん一番初めに好きになったのは、聖剣伝説2というゲームの中で使われていた、ガムラン風の2曲だと思います。(ちなみにこのゲームのサントラは名盤。スーパーファミコンなので、音色はしょぼいっちゃしょぼいのだが、曲は幅広いジャンルで名曲ぞろい。特にプログレ好きは必聴。)

その後、いろいろ調べていくうちに、ガムランにも編成による幾つかの種類がある事を知りました。有名なものとしては、最も耳にする機会の多く、大きな編成のゴング・クビャール、影絵芝居の伴奏として奏されるグンデル・ワヤン、大人数の声で「ケチャケチャ・・・」と歌うケチャが挙げられます。

ここでおすすめしたいのは、グンデル・ワヤンです。

バリでは冠婚葬祭、なんらかの節目に神話を元にした影絵芝居(ワヤン)を上演するそうですが、その際このグンデル・ワヤンを必ず聴きます。つまりグンデル・ワヤンは西洋における教会音楽のようなもので、いわば正道の音楽なのです。

このグンデル・ワヤンは、グンデルという鍵盤楽器を大小2台ずつ、4台使用して奏されます。西洋における、合唱の4声体(ソプラノ、アルト、テノール、バス)や、弦楽四重奏(ヴァイオリン2丁、ヴィオラ、チェロ)と似ていると思いませんか?私は西洋音楽の神髄は、コラールと弦楽四重奏にあると思っているわけですが、それはガムランにもあてはまり、グンデル・ワヤンは、他の編成よりシンプルなだけに魅力が凝縮されていると感じます。少人数だからこそできる絶妙のアンサンブルも魅力だと思います。

西洋音楽の中でも、弦楽四重奏を初めとする室内楽は、少しとっつきにくいところがあると思いますが、慣れればそれだけ深い感動を得ることが出来ます。ガムランにおいても、グング・クビャールなどはノリがよく、聴いていて楽しいですが、神妙な気持ちで聴くグンデル・ワヤンも、とてもいいものです。

なお、ガムランに興味を持った方は、自らもガムラン演奏家である皆川厚一さんが著した「ガムランを楽しもう」をご一読される事をおすすめします。100p程度で、すぐ読めてしまいますが、非常によく整理されていて、ガムラン理解に大いに役立つ名著です。現在どうやら絶版のようですが、図書館などに行けばあるかもしれません。探すだけの価値は保証します。