純粋で神聖な響き - グレゴリオ聖歌

だいぶ昔に楽典を書きかけたのだが、最近になって執筆を再開しようかと思った。当時「教会旋法」なるものがよくわからず、断筆した訳だが、今調べてみると、どうやらグレゴリオ聖歌を調べてみるとよさそうだと言うことが分かった。

そこで、図書館で借りてきたのが、十枝正子・著「グレゴリオ聖歌選集」。簡単な紹介、楽譜の読み方解説の後は、ただ楽譜、楽譜、楽譜・・・そして、その中から29の演奏が附属のCDに収められている。

理論書や解説書も勿論必要だが、百聞は一見にしかず、いや百読は一聴にしかず。演奏を聴けば「ああ!こういう響きが教会旋法なのか!」とわかった訳です。

そこに収められているのは、ただ一つの旋律。和音も鳴らなければ、対旋律もない。その音の動きはいわゆるバロックから現在にいたる、長音階・短音階とは明らかに異なる。衣ずれの音も許されない、清浄で神聖な空気が流れる。これは、いい。

しかし、初めてまともに聴くはずなのに、どこかできいた事ある響きだ、と思った。そうだ。M.デュリュフレの「Ubi caritas et amor」に似ている。

よくよく調べてみればこの曲はグレゴリオ聖歌を基につくられた「グレゴリオ聖歌による4つのモテット」の中の1曲らしい。納得納得。

ちなみに、何故この曲を知っていたかというと、聖剣伝説2・3などの音楽で知られる菊田裕樹氏プロデュースのゲーム「クーデルカ」のエンディングで使われていたため。サントラを買ってからは氏の音楽と同じか、それ以上に繰り返し聴いていた。昔から好きだったんだなあ。