Mac の特殊キー記号の由来

Mac では、特殊キー (修飾キー) を記号で表現することがよくある。下記がその一覧。

記号キーコードポイントUnicode での文字名
commandU+2318PLACE OF INTEREST SIGN
controlU+2303UP ARROWHEAD
option / altU+2325OPTION KEY
shiftU+21E7UPWARDS WHITE ARROW
enterU+2324UP ARROWHEAD BETWEEN TWO HORIZONTAL BARS
escape / escU+238BBROKEN CIRCLE WITH NORTHWEST ARROW
homeU+2196NORTH WEST ARROW
endU+2198SOUTH EAST ARROW
returnU+21A9LEFTWARDS ARROW WITH HOOK
U+2191UPWARDS ARROW
U+2193DOWNWARDS ARROW
U+2190LEFTWARDS ARROW
U+2192RIGHTWARDS ARROW
deleteU+232BERASE TO THE LEFT
forward deleteU+2326ERASE TO THE RIGHT
command は使用頻度高いし、キーに印字してあるからすぐ覚えたんだけど、control や option は、印字してないし (MacBook Pro 2010-2011)、使用頻度同じくらいだしでよく間違える。

そこで、友達から、記号の意味がわかれば覚えるんじゃないか、といわれ、なるほどと思って調べてみた & 推測してみた。

資料はおもに日本語版および英語版の Wikipedia なので、悪しからず。

(command)

command キーを示す ⌘ については、Wikipedia に詳しい記述がある

初代Mac開発メンバーであったスーザン・ケアが、北欧の史跡などを示す交通標識に使われる ⌘ マークを記号辞典で見つけ、採用したといわれている。開発段階ではアップルマークが使われていたが、コマンドキー表示としてアップルマークが連なるメニューを見たスティーブ・ジョブズが自社ロゴを濫用していると感じ、別のマークにするよう指示した。

コマンドキー - Wikipedia

記号自体については Saint John's Arms に詳しく、北欧で5-7世紀頃に使われていた記号だそうだ。Saint John's Arms のほか Saint Hannes Cross などと呼ばれており (ただし、紀元前の木製スキーにも描かれているためキリスト教起源ではないとされる)、フィンランドでは、魔除けとして家の壁にペイントしたりするそうだ。

(control)

そもそも control キーは下記のような役割をもつ。

テレタイプ端末、及び初期のコンピューターキーボードでは、コントロールキーを押しながら他のキーを押すと、生成されるASCIIの下位5ビット以外がゼロとなった。これによりユーザーはASCIIの非表示文字である最初の32文字 (0x00 - 0x1f) を生成、入力できる。

コントロールキー - Wikipedia

たとえば、J (0x4A, 1001010b) を control とともに押下することで、改行 (0x0A, 0001010b) を得られる。制御文字 = Control character を入力するためのキーなので control キーというわけだ。

上記の例で、改行文字を ^J と書く記法があり (Caret notation, ASCII も参照)、この事で control を ^ で表すことになったらしい。そもそもなぜ ^ が使われたかはわからなかったが、この記法は Mac に限らない、一般的な記法らしい。

ただし、Mac では ASCII に含まれる ^ (U+005E, caret) のかわりに ⌃ (U+2303, up arrowhead) で control キーを表している。

(option)

option キーを示す ⌥ については、Wikipedia に記述がない。Google で調べてみたら、Quora にそのものずばりの質問があった。

Computer Keyboards: What is the origin of the Mac's "option key" symbol (⌥)? - Quora

その回答として、一番支持されてたものがこちら (抜粋)。

It was clearly inspired by the electrical symbol for an SPDT switch:

この回路図の左側から流れる電流を、スイッチによって、右上に流すか、右下に流すか選択できる。通常の動作を別のものに切り替えるという事で option や alternate (alt) を示すのだろう。

(shift)

まずはシフトキーの由来。

シフトキーの名称は、英文タイプライターが由来である。当初は刻印用の文字盤が水平に置かれて、下からの打鍵圧力により打刻される(アップストライク方式)構造だったが、その文字盤をシフトキーで「シフト(shift,ずらす)」という構造になっていた。

シフトキー - Wikipedia

shift は移す、替えるという意味で必ずしも上向きではない。上向きの矢印になったのは、下記の経緯によるのではないか。

のちにタイプライターは文字盤を手前側に置かれ、前からの打鍵圧力によって打刻される(フロントストライク方式)構造へと移り変わった。その文字盤は「ずらす」のではなく「リフト(lift,持ち上げる)」されるが、呼称は変わることなく「シフト」と呼ばれ続けた。

シフトキー - Wikipedia

(enter)

上の破線で部屋の入り口を、下の折れ線でその部屋に入る (enter) ことを示していると考えられる。

(escape)

○で示した領域から、逃げ出す (escape) 様を矢印で示していると考えられる。

(page down) / (page up)

省略を示す二本線をともなう矢印だろうか。

(home) / (end)

欧文の文書における、文の始め = 一番上の行の一番左、文の終わり = 一番下の行の一番右、を示していると考えられる。

(return) / ↑↓←→ / (delete) / (forward delete)

このあたりは明確ですよね。

ちなみに

上記の記号を使うときは、フォントは Lucida Grande にしとくといい感じですよ。