「男なんだから」

近年のフェミニズム運動の成果か、「女(の子)なんだから〜しなさい/しろよ」などといった台詞は随分聞かなくなってきた。その割には(特に21〜22時台の)ドラマなどで「男なんだから」「男らしくない」などの台詞はいまだによく聞かれるように思う。

戦前教育によって近年の日本では男尊女卑社会が形成された。その反動としてのフェミニズム運動によって、女性を差別(卑下)することは社会的に許されないという意識が、社会通念となった(理性では解しても、感情的には受容できない人も多いようだが)。

その一方で、戦前教育によって「軍人」である事を強要された男性については、未だに見直されているとは言い難い。「男の子なんだから泣いちゃいけません」「男なんだからはっきりしなさい」などという台詞も、「女は黙ってろ」など(ああ書くだけでも胸が悪くなる)と同じように、性別による役割の押しつけである、という事をもっと意識すべきだ。

私のように、ジェンダー・フリー(社会的無性)、ジェンダー・ニュートラル(社会的中性)でありたいと思う人間にとっては、その辺りの無神経さがついつい気になってしまう。